公演日 | 2002.8.4 |
会場 | 名古屋クラブクアトロ(愛知県名古屋市) |
正直なところ市井ちゃんライブでさえも僕にとっては「行ってみようかな」程度のもので、好きだから行くというより、どちらかと言えば好きになるために行っているようなものだ。そして橘いずみのライブは僕にとって「行かなくちゃいけない」ものだった。これはもう10代後半から20代にかけてずっと聴き込んでいた歴史があって、自分にとって切り離せない存在なのだからどうしようもない。
ライブを知ったきっかけは市井ちゃんライブの予定を追っている時で、偶然にしてはこれ以上無いタイミングだった。(ありがとう市井ちゃん。)一時期活動が止まってたんだっけ?関東圏では何度かライブを行ってたみたいだけど、アルバムはつい最近のミニアルバム三部作まで止まってたと思う。この辺はよくわかんない。というかアルバム『TOUGH』の雰囲気が僕には少々物足りなくて、それ以来興味が薄れてきたってことが大きかった。いや、とにかくそんな事もありつつ、久々の名古屋でのライブだったのだ。
開場から開演までの長い時間が過ぎ、ようやく橘いずみがステージに現れる。今までジャケットでしか見ることのなかった彼女はまさに「かっこいい」の一言。特に笑顔。こんなにキレイでカッコイイ人だったのか…と、異性に対するそれではなく、人間そのものに惚れてしまう感覚。そして目を合わせたら一瞬で心を射貫かれそうな強い視線。もし目が合ってたら、多分すぐ目を逸らしてたな(笑)
(ところでセットリストってみんなどうやって覚えるんだろう。単純に頭で覚えるの?ステージに熱中してたらそんなの忘れてしまうがな)…という事で知ってる曲や知らない曲がありつつも、全体通しては非常に充実度の高いライブでした。やはりじっくり聴き込んだ曲(『バニラ』とか古めの曲)は心にぐっとくるね。つーか過去にぐっときた記憶が呼び覚まされると言ったほうが正確か。逆に最近リリースされた曲はいま一つ心が刺激されない。いい曲だとは思うんだけど…。
ライブで一番印象に残った曲は『失格』。3枚め以降のアルバムでしか彼女の曲を知らなかったのだが、後日とても売れた代表作という評価を知って納得した。めちゃめちゃ心に響く曲で(陳腐な形容ですまんね)、まるで昔から知っている様に感じた。例えば前述したアルバム『TOUGH』の雰囲気と、この『失格』は何が違うんだろうと何度も聴き比べたけど、よくわかんねーなー。取り敢えず曲調がゆっくりか速いか。声が優しいか激しいか。風景を歌っているか心情を吐露しているか。前者はまるで独り言のように何処かにいる誰かに向かって囁いている様で、後者は明らかに特定の人間に対して直接投げつける。…う〜ん、うまく説明できないんだけど。
自分も彼女ももう30代。成長するとは変化することなのか。変化についていけない自分は、成長していないということなのだろうか。どちらかわからないけれど、今後も彼女の曲を聴きながら、時に自分を見つめ直すきっかけにしたいと思う。音楽って、素晴らしいなあ。